Ahocalpse 2005
in Vietnam
=Tropical Storm=
2005 Aug
・Scene No4・


Enemy's flag!!


SEAL TEAM全隊に呼び出しが掛かった。

もうそろそろ来る頃だとは思っていた。
デスクで書類整理をしていたHEAVY少佐は、
目の前に差し出された紙切れを睨みつつ、
口に咥えた葉巻に火を点けた。

今回もHEAVY少佐はMACV−NAVYとして
CPで全SEAL TEAMの指揮・支援に当たる様
指令書には書かれている。
しかし、今はR&Rで三名の隊員が戦場での
垢を落としてるいる真っ最中だった為、6名で
構成されているDET−N・SEA HOUNDの内
現場に出れるのは2名、どうしても最低作戦遂行
人数で有る3名には足りない・・・。
かと言って、クーラーが効いた部屋とは言え、
目の前に積まれた書類の山との睨めっこにはイイ
加減飽きて来ていた所なのだ・・・このチャンスを
逃さない手は無い・・・。


作戦はTEAM SEA HOUND・TEAM BREAKERsの2TEAMが
主体となって遂行される。作戦内容は一般歩兵部隊と
SEAL TEAMによる、敵部隊の挟撃作戦。

挟撃ポイントは前もって選定済みらしい。
CP周りに装甲車と一般歩兵部隊を配置、敵部隊が
CPを目指し攻撃して来るのを、装甲車と一般歩兵
部隊により挟撃ポイントへ誘導、ポイントへ誘導後は
SEALによる敵後方からの攻撃を合図に、全部隊が
一斉に攻撃を開始し叩き捲る、という筋書きの様だ。

今回はTEAM BREAKERsが人員的に多い事から、挟撃時の
主戦力となる。TEAM SEA HOUNDは敵移動部隊の捜索と
監視、TEAM BREAKERsの支援行動が主な任務だった。

TEAM SEA HOUNDは3名で作戦に当たる事になった。
ウルゲイル大尉殿、スキッパー一等兵曹、そして
SEAL2からの出向と言う形で編入された
スマッシー二等兵曹だ。

スマッシー二等兵曹は前もって行われていた、
TEAM間での合同訓練時にHEAVY少佐・
ウルゲイル大尉にも一目置かれていた存在で、
TEAM SEA HOUNDの隊員とは同郷出身が多い等の
様々な偶然が重なり、今回の作戦地域を
考慮し、ブッシュに強い人員から選抜された。


China Lake Lab(CLL)の研究主任Mr.Uthinが、
CLLで開発されて間の無い、M16用試作型50連マガジンを
2種、SEA HOUNDの為に持ってきてくれた。
数に限りは有るがこれは心強い。

写真には無いが試作型の小型無線機も配備された。
これは、従来のPRC25・77と同等の送受信性能を
持ちながら、重量とサイズは4分の1程度になっており、
無線手の負担を軽減する事はもちろん、部隊の機動性
向上にも役立つ事となってくれた。


毎回恒例の気合の入る瞬間。
HOOYAAAAAAAh!!


潜入ルートについて話し合うSEA HOUND隊員。

準備を終えた我々は、TEAM SEA HOUNDはチョッパー
「狼運送」、TEAM BREAKERsはSTAB「高速家鴨」に
乗り込み、進入ポイントへ向かった。


敵と遭遇する事無く、山岳地帯の麓に位置する
進入ポイントへ到着した我々は、虫の鳴き声すら
しない深いブッシュの中を静かに歩み始めた。

ポイントマンをスマッシー二等兵曹が務め、全周に
注意を払いながら敵勢力内を進んで行く。

しかし、戦闘音はおろか、敵の気配すら感じ無い・・・。

途中、小高い山の山頂にて小休止を取りつつ、辺り
一帯を見回したが人影すら見当たらない。
RTOにより現状報告と情報の提供をCPヘ行う。

情報を聞く限りでは、敵小部隊との小競り合いは、
CP周辺で絶えず起こっている様だ。
だが、CP周りはおろか、この近辺での大規模な
敵部隊の確認情報は得られ無かった。

ウルゲイル大尉の判断で、現在のポイントを
離れる事となった。
移動途中、別任務を遂行中のSOG小隊と
出会う事が有ったが、互いの肩を無言で
叩き合いながら通り過ぎて行った。

HEAVY少佐から各SEAL小・分隊に無線連絡が入る。

ポイント●●へ早急に移動せよとの命令だった。
指示通り速やかな移動を開始するが、目的地は現在位置から
まったく正反対の位置だったのと、敵のパトロール小隊を
発見した為、迂回路を取る必要が有ったので余分に時間が
掛かってしまった。

目的地である、小高い丘の麓にはTEAM BREAKERsが円周警戒
態勢で我々の到着を待っていた。
CPからの指示は現合流地点で、TEAM BREAKERsと待機せよとの事だ。


10数メーター先の小高い丘の上には、かなりの数の敵が
集結して来ているのが、現場を見なくても判った。

SEAL隊員全員がブッシュへ身を沈める中、静寂を
破るかの如く銃声と悲鳴が木霊した。

我々は一瞬身構えたが、幸い発砲も悲鳴も身内のモノでは
無いと直ぐに理解出来た。

敵を挟んだ反対側に位置する、一般歩兵部隊が戦闘を
開始したのだと思った、しかし銃声は一般歩兵側では無く、
我々の居る側から鳴り響いていた。

我々の潜伏する麓から少し離れた場所で、SOGの小隊が
戦闘を開始したのだ。

仲間の支援射撃する中、小隊長と思われるベレーを被った
SOG隊員が、敵兵士一名を引きずる様にして走り出して
来るのが確認出来た。

その直後、目の前の丘の上に集結していた敵部隊が、
蜂の巣を突付いたかの様に、一斉に動き始めた。

仲間を救出せんと、数名の敵兵士が我々の潜伏する
麓側へ入って来ようとする・・・瞬間、敵兵士は
十数発の銃弾を受け悲鳴を上げる間も無く倒れた。

SEAL隊員全員が一斉に動き出す。

横一列になり、各々の持つ火器の銃弾を浴びせながら
丘に向けて突撃を開始した。

「★◎※#●‰!!」
(「敵の特殊部隊だっ!!」と、言っていると思われる。)

予想外の伏兵に反撃しようと、敵兵士達が踊り出て来るが
次々と薙ぎ倒されて行く。

数名の支援射撃の元、丘へ到着した我々の目の前に、
敵部隊のシンボルとも言うべき存在で有る部隊旗が有った。
一名の勇敢な敵兵士が部隊旗を握り締め、猛然と
立ち向かって来たが、兵力と火力の差により命を
失う事となってしまった。

倒れても部隊旗を手離さない、若い敵兵士の手から
旗を奪い取る事に成功した。
が、混乱から立ち直り、衰える事の知らない敵部隊との
交戦を続けたが、一人・二人とSEAL隊員が倒されて逝く。



しかも敵は回り込み、我々の退路を断とうとするのが
感じ取れた・・・このままでは、非常に不味い。

各部隊長の指示の元、相互支援射撃を行いつつ後退を始めた。

後退の最中、先程の捕虜を取ったSOG隊員達と合流する
事が出来た。SOGの小隊長も現状を理解している様で
SEALを逃がす為の殿を務めてくれるとの事だ。

短い敬礼と、絶大な感謝を心の中でしつつ我々は、
敵の旗を手に鬱蒼と生い茂るブッシュの中へ駆け込んだ。

この後、部隊旗の奪還に執念を燃やすグエン・ヤスチー将軍の
送り込んだ敵部隊(北の特殊部隊・ダッコンらしい。)に
包囲され全滅の危機に晒されるのだが、部隊旗を持った数名の
SEAL隊員が無事に包囲網を抜け、CPに送り届けるのに
成功させる事が出来た。


奪取した敵の部隊旗。
(余談だが、この部隊旗には偽物が存在したらしく、
偽者は旗の右上に数字が入っていないらしい。)



旗の奪取成功記念に。
TEAM SEA HOUND(上段)
TEAM BREAKERs(下段)

CPに届けられた部隊旗を見た、司令官KENZ中佐は一言
「今回は勝ったな。」と呟き、笑みを見せたと言う。



しかし・・・我々が行う予定だった挟撃作戦が無に帰した為
この直後に、挟撃される予定だった敵大部隊がCPに一斉
突撃を敢行。(笑)

一般歩兵部隊、装甲車の果敢な反撃を粉砕し、CP陥落の
一歩手前にまで陥るハメになるのだが、CP要員数名だけが
奮戦、陥落を阻止する事が出来た様だ。

CPにてSEALを指揮していたHEAVY少佐は、自前の
M1911を片手に必死で応戦し、最後まで生き残って
居たのは言うまでも無い。


だが、CP陥落寸前は嘘では無く、兵員補充と修復作業
により、暫く米軍側指揮系統は麻痺してしまったので有る。

この間に各歩兵部隊は混乱に陥るかと思われたが、
各部隊の指揮官のお陰で大した事は無かったらしい。

態勢を建て直し、米軍の反攻作戦が開始されようとした
矢先に、突然の激しい雷雨に見舞われた。

作戦区域へ大型の台風が接近しているとの事だ。

米軍側は作戦続行を困難と見なし、撤収を開始した。

SOGの情報によると、敵共産勢力も撤収を開始した
みたいだ。


思わぬ仲介者により、今作戦の結果を見れぬまま
我々の暑い夏は幕を閉じる事となった・・・。



如何でしたでしょうか?(敬礼!)

今回は、これからだっ!!って時にマジ雷・・・無線機
背負う頼もしいナイスガイな皆さんも、流石にガクブル。
スキッパーも後から聞かされて、改めてガクブル。(笑)

ですが、敵勢力の旗の奪取は他に無かった?様なので、
TEAM BREAKERsの皆さんと一緒に、この偉業?が
達成出来たのが何よりも嬉しく思います。
TEAM BREAKERsの皆さん、毎回ながら本当にお疲れ様
でした&ありがとうございますです。(敬礼!)

このアホカリに参加出来なかった、TEAM SEA HOUNDの
メンバーも一緒に居れば嬉しさ倍増三食昼寝付(謎)
なんですが・・・これはこれで残念。(沈)

以下スペシャルサンクスでっす。

BWN・Ithaca殿
MMC・サケスキー殿
SEAL2・スマッシー二等兵曹殿
CLL・Mr.Uthin殿
SEA HOUND・LT URGAYLE殿

今回も、たくさんの写真をありがとうございました。(敬礼!)


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